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MY BEST FRIEND

AT THE HOSPITAL

By  NPO Shine On !  Kids

Total Branding & Charity

2016年、認定NPO法人「シャイン・オン・キッズ」のファシリティドッグ普及啓蒙活動の一環として、写真集のクリエイティブ・ディレクションを担当しました。

ファシリティドッグとは、ストレスを抱えた人に愛情と安らぎを与えるよう専門的に訓練された犬。

病院内にいて、各病棟を巡回して触ってもらったり、一緒に遊んだり、時には添い寝をしたり。犬だからこそできる「心のケア」をしてくれます。とくに子どもは、動物を抱きしめることが好きで、このスキンシップが子どものストレスを和らげ、元気づける効果があるということが、研究によって証明されています。

いつも採血の時に泣き叫んでいた子が、ファシリティドッグと一緒なら泣かなかったり、手術室まで一緒に付きそうと、これから手術を受けるのに嬉しそうに入室して行ったり。

ファシリティドッグの発祥はアメリカで既に多くの導入実績がありましたが、企画当時日本ではまだベイリーとヨギのわずか2頭だけでした。

出版を記念して行われたトークショー。司会はラジオパーソナリティーのレイチェル・チャンさん。

シャイン・オン!キッズはファシリティドッグの認知度や効果の訴求と、導入のためのファンドレイジングを行っています。その10周年という節目であった事もあり、ファシリティドッグの「写真集」を作る企画が持ち上がり、クラウドファンディングで制作費を募りました。

ディレクションの依頼が来た時、戌年の近衞は犬が大好きで、過去に多くのチャリティー活動に参加していたこともあり、二つ返事で受けました。しかしたった2頭の、しかも同じ犬種の犬の写真だけで写真集は厳しいものがあります。

そこで考えたのが、小児病棟の子供達がファシリティドッグの写真を撮ること。とはいえ重病で長期入院されている子供達ですから、本人はもちろんご家族の方々の気持ち、彼ら自身も映り込む可能性があることなど、とてもデリケートな問題です。幸いシャイン・オン!キッズやハンドラーの方々が誠意を持って企画内容を説明して下さり、ご家族の賛同を得ることができました。

次の問題は、子供達の写真だけで写真集がつくれるのか?趣旨が趣旨なので写真がプロ並みの出来ではなくとも、子供らしい可愛い写真であれば良いのですが、車椅子であったり、中にはカメラを構えることすら困難な子供もいます。

また、ファシリティドッグの可愛い写真だけではメッセージは伝えきれません。小児病棟の現実、その中で必死にカメラを構えている子供達の姿もあって、初めてファシリティドッグの必要性を訴えることが出来ます。

真っ先に浮かんだのはフォトグラファー・桐島ローランドさん。桐島さんは日本の伝統文化を守る活動で、近衞と一緒にシンポジウムなどに参加した同じ志を持った仲間です。撮影の依頼をしたところ快諾を頂きました。

次に、近衞の周りで一番の犬好きと言えば劇作家・藤沢文翁さん。近衞が藤沢さんの舞台の芸術監督を務めたご縁で、企画段階から相談をしていました。そして写真集のデザインは、人見久美子さん。近衞と共に藤沢朗読劇のパンフレットを手がけた人物です。

撮影は2箇所の病院で行われ、10人の子供達が参加してくれました。初めて一眼レフを手にして大盛り上がり。カメラの重さを支えることが困難で、イスに乗せて撮影する子、連写機能がすっかり気に入ってシャッターを押しっぱなしの子…。1000枚以上の写真の中には、意外性に富んだ素晴らしい写真が​数多くあり、選ぶのが大変なくらい。当初の不安はどこへやら。

タイトルは「MY BEST FRIEND AT THE HOSPITAL」に決まりました。

子供達にとってファシリティドッグは単なる「犬」ではなく、一緒に病気を闘ってくれる仲間だから。

認定NPO法人 シャイン・オン・キッズは小児がんや重い病気と闘っている子どもたちと、その家族の支援活動を行っています。アメリカ人夫妻が東京に住んでいる時に、2歳になるタイラーくんを小児がんで失った経験をきっかけに2006年に日本で設立された団体です。

この写真集の収益はファシリティドッグ導入のためのシャイン・オン!キッズの活動に役立てられています。写真集の発表後、2018年には神奈川県立こども医療センターに8年務めたベイリーが引退。後任にアニーが就任しました。静岡県立こども病院のヨギは継続して元気に勤務しています。そして2019年には東京都立小児総合医療センターが日本で三例目となるファシリティドッグの導入を決定。アイビーが就任しました。

 

子どもたちの笑顔が増えて、その家族が癒されて、多くの病院にファシリティドッグの必要性を理解してもらえるようになることを心より願っています。