『書のお道具箱を茶箱のように選んで楽しめるこだわりものを』という書道家・川邊りえこさんのコンセプトに基づき、ファッションやアート、デザインなどへの感性が高い人々が日常的に使いたくなる書道具を商品開発するプロジェクト「雅藝文房十寶展」に、弊社代表取締役クリエイティブ・ディレクターの近衞忠大が参加いたしました。
今回、近衞がデザインしたのは、書をしたためるための「卓」です。 天板に使用した神代タモは、数千年前の火山の噴火で地中に埋もれた天然木が、果てしない年月をかけて地中の中で化石へと変化していく手前で掘り起こされた埋もれ木。 神代タモを使うという川邊さんのアイディアと、木材を選び加工して下さった豊橋の中西康之さんとのコラボレーションで、独特の存在感に仕上がりました。 引き出しの取っ手はチーク材を使用。チーク独特の深い色の木肌が、神代タモの薄く白いナチュラルな色合いと、足に使われた重厚感ある鉄とコントラストを生み出しています。
「卓」は、コンパクトに折りたたむことも可能。 使わない時は折りたたんで収納したり、持ち運んで使ったりと、使用方法は自由自在多岐。これならあまり広くない場所でも気にせず書を楽しむことが出来ます。
「卓」を折りたたんだ状態のスケッチ
また、紙を押さえる「文鎮」と書道具をまとめて置くための「卓上金具」も、「卓」とセットの作品としてデザイン。
「文鎮」は、筆を走らせる紙を押さえる機能を持つだけではありません。「卓」を使い書を嗜む人が、もしかしたらパソコンを使うかもしれない。そういった現代の暮らしを想定の下、PCスタンドとしても使えるように設計されています。
「文鎮」の上にPCを載せたイメージ
「卓上金具」は鉄を叩く際のテクスチャを活かしたくぼみに筆がはまり、卓上でも転がらないような構造です。 その隣には硯を置くスペース。上には擦った墨を一旦置くための墨置きと、水滴を置き。 一息つけるようマグカップやグラスを置く場所も作ってあります。
近衞忠大のアイデアを元に作られた「卓上金具」
「卓上金具」「文鎮」そして卓の脚などの金属部分は金物を得意とする伊藤洋介さん(Truss Box)に特別に作っていただいたものです。
他にも会場には、足元に広がる花畑をモチーフに作られた筆置き、自分好みにカスタマイズ出来る書道具など、作家の個性と日本の伝統文化が溶け合った作品の数々が。
花をモチーフに作られた筆置き
書道具のセット
全ての展示作品は購入可能することが出来、その場でご購入される方も多くいらっしゃいました。近衞デザインの「卓」は初日で完売!たくさんの方にご来場頂き、重ね重ね感謝申し上げます。
<企画展情報>
雅藝文房十寶展
会場:日本香堂・香十 本社ビル 2階 銀座香廊
会期:2019年11月21日(木)まで開催中
開廊時間:11時〜18時
料金:入場無料 <伊藤洋介さんのTruss Boxのサイト> http://www.truss-box.com
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