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【Report】フィレンツェと京都

  • Jingu
  • 9月23日
  • 読了時間: 4分

7月13日、大阪・関西万博のイタリア館にて、「フィレンツェと京都の職人技」をテーマにした特別なトークセッションを開催いたしました。


週替わりで各州の魅力を紹介しているイタリア館。

今回のイベントは、トスカーナ州の期間(7月13日〜19日)に合わせて企画されたもので、弊社がこれまで開催し大きな反響を呼んだ「阿波おどり」や「フェンシングイベント」に続く文化交流企画となります。


左:細尾真孝さん / 右:近衞忠大
左:細尾真孝さん / 右:近衞忠大

千年の時を刻み、芸術・宗教・伝統工芸が息づく街――フィレンツェと京都。

世界が羨む美と文化を今も輝かせる両都市は、本年1965年(昭和40年)の姉妹都市提携から60周年を迎えました。今回のセッションは、その節目に両都市に根付く伝統工芸の“今”と“これから”を探る貴重な機会となりました。


インタビュアーはイタリア館アンバサダーを務める弊社・近衞忠大が担当。

和やかな雰囲気の中、対話が始まりました。


セッションでは、フィレンツェ発祥の世界的ブランド「GUCCI(グッチ)」と、1688年(元禄元)創業の老舗西陣織「HOSOO(細尾)」が2022年から共同制作しているハンドバッグも登場。


細尾の卓越した職人技によって、グッチを象徴するモチーフが立体的に織り込まれた特別なテキスタイルが、見る者を惹きつけます。究極の美を追求する西陣織の物語とグッチのクリエイションが融合した作品に、観覧者からは感嘆の声が上がりました。


左右:グッチ バンブー 1947(Gucci Bamboo 1947) 中央:グッチ ダイアナ(Gucci Diana)
左右:グッチ バンブー 1947(Gucci Bamboo 1947) 中央:グッチ ダイアナ(Gucci Diana)

グッチの象徴である『GGパターン』(創業者グッチオ・グッチのイニシャルロゴ)や『フローラモチーフ』を、西陣のヘリテージである銀箔や織りの技術を生かしながら繊細に表現したことで、両ブランドの個性が光るアイコニックなハンドバッグとして世界的に高い評価を得ています。


左右:グッチ バンブー 1947(Gucci Bamboo 1947) 中央:グッチ ダイアナ(Gucci Diana)
左右:グッチ バンブー 1947(Gucci Bamboo 1947) 中央:グッチ ダイアナ(Gucci Diana)

銀箔を幾層にも重ねて織り込まれたファブリックは、角度によって表情を変え、優雅で深みのある仕上がりに。伝統と革新が息づく質感を、私たちは実物を前にして確かに感じさせられました。


何百年と受け継がれてきた西陣の技と気骨、グッチが育んできた革新の美学。

過去と未来をつなぐ技と美意識が共鳴し、装飾を超えた存在感を放っています。


トークセッションの様子
トークセッションの様子

登壇頂いた細尾12代目社長・細尾真孝さんは、2007年にフィレンツェで修業した経験を振り返り、イタリア職人が受け継ぐ精神と技術に大きな刺激を受けたそうです。


また、グッチとのコラボレーションについても言及し、

「グッチを象徴する『GGパターン』や『フローラモチーフ』を西陣織に織り込むのは技術的にも極めて難易度の高い挑戦だったものの、織物の無限の可能性を追求し、挑戦し続けながら伝統を守る“古くて新しい”あり方を大切にしたい」と述べ、伝統を守りつつ革新を恐れない強い意志を示しました。


セッションの締めくくりに細尾さんは、

「伝統の強さは、壊そうとしても壊れないこと。新しいものをどんどん取り込んで、変わり続けていく。変わること、次への挑戦は自分の固定概念を崩すことだが、(グッチとの)コラボレーションは、革新を続けても“壊れない伝統”を体現している」と語り、その力強いメッセージは参加者の心に深く響いたようです。


トークセッションの様子
トークセッションの様子

伝統を未来へつなぐ鍵は、守りながら挑戦すること――。

今回のセッションは、その大切さを改めて教えてくれる時間となりました。


なお、本トークショーの模様はイタリアパビリオンの公式YouTubeでもご覧になれます。ご興味ある方はぜひ以下のリンクより濃厚なセッション全編をご視聴下さい。




文化や工芸を通じて日本と世界をつなぐ、弊社にとっても意義深い試みとなった今回の企画。次回の開催レポートも、どうぞ楽しみにお待ちください。


末筆ながら、本事業の成功に際し、イタリア館関係者の皆様、HOSOO(細尾)関係者の皆様、GUCCI(グッチ)関係者の皆様、京都文化交流コンベンションビューロー関係者の皆様、そして多くの皆様のご協力に心より御礼申し上げます。


弊社はこれからも、日本文化と世界を結ぶ架け橋として、独自性と挑戦心をもって活動を続けてまいります。

 
 
 

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