The Aesthetics of Japan 3「Language」装丁
- 1月21日
- 読了時間: 4分
更新日:2月10日

第三巻「言語」
「百年後に、世界へ日本文化の精神を残す」
その深遠な志のもと日本雅藝倶楽部が刊行する、全編英語の『日本文化精神論』シリーズ待望の第三巻となる『Language(言語)』(2025)が完成しました。
今回のテーマは、私たちが長い時間をかけて紡いできた「言葉」です。

「言葉は思考を生み、思想を形づくり、文化の深層を支える根幹である」
この思想を軸に、古典から現代に至るまで、様々な角度から日本語が持つ美意識や精神性を一冊に編み上げました。本シリーズは目には見えず、形のない「日本文化の精神」とは何か。その輪郭を捉えるべく、一冊ごとに異なるテーマで光を当てています。
これまでに、第一巻『Cuisine(食)』、第二巻『Color(色)』が発行されています。

今回はプランニングに加えて表紙デザインを弊社の近衞忠大が担当しています。
表紙のコンセプトは「いろは歌」と、日本雅藝倶楽部の創設者である川邊りえこ先生からお題が与えられていました。いろは歌は日本語の象徴的な文字である平仮名と、七五調の歌ということばのリズムを表現したユニークな歌です。そのいろは歌を歴代の能書家たちの字を拾って構成しています。
唯一「ん」だけはいろは歌に含まれていないので、タイトルのLanguageの「n」に見立てて追加しました。一瞬違和感がありますが、何故か発音的にも、見た目的にも馴染んでいるのではと思っています。
完成したこの書籍は、ハーバード大学をはじめ、世界の大学や美術館など「100年後も存在し続けるライブラリー」へと寄贈される予定です。
海を越え、時代を越えて。 まるで未来へ宛てた手紙のように、この一冊が日本文化の精神を届け続けることを願っています。
このシリーズは日本雅藝倶楽部の川邊りえこ先生の日本文化を伝える活動の延長線上にあります。外国人が日本を知る上でまずこれを読めば、という本を作りたいという情熱の結晶です。
毎回、日本雅藝倶楽部の会員有志がプロデューサーを務め、各分野の専門家の協力、出版の専門家の協力を得て実現されています。各界の専門家に今回のために新たに書き下ろして頂いたものに加え、過去の著作の中からも基調な文献から転載して構成されています。
今回は文献学、書誌学、日本語史が専門で平成国際大学新学部設置準備室学術顧問の山口謠司先生の協力を得て実現しました。先生には冒頭の“Fascination of the Japanese Language (日本語の魅力)”で日本語のユニークさ、オノマトペなどの独特な表現、“Pictograph Fill the World(世界を満たすピクトグラフ)”で絵文字などに関して書き下ろしてくださいました。また「いろは歌」の文字も選んでいただきました。
能楽の言葉に関しても是非触れたいと思い、リチャード・エマート先生には外国人から見た能楽に関しての執筆を依頼しました。エマート先生は喜多流のアメリカ人のお弟子さんで50年以上能を学び、外国人向けの能楽プログラム「Noh Training Project」や「シアター能楽」という外国人中心の演劇集団を率いています。私は喜多流の能楽堂の運営に関わっていますが、毎年楽しみにしていることの一つは「Noh Training Project」の参加者の発表会です。
他にも触れたい内容があるのですが、到底網羅できないので是非本書を手にとって頂ければと思います。英語だからと躊躇せずご高覧いただければ幸いです。日本語版が欲しいという要望が多ければ日本語版も可能性があるので、Amazonなどのコメント欄にご意見を寄せて頂ければと思います。
末筆になりましたが新潮社の名編集者である中瀬ゆかりさん、上田恭弘さん両名には企画・編集のみならず、様々なアイディアも頂きました。そしてプロデューサーを務めた山本訓史さん。皆様に心より感謝申し上げます。
執筆陣、プロデューサー、ディレクターなど、各分野のスペシャリストが集結して作られる本シリーズ。今後は第四巻『建築』、第五巻『縄文・アイヌ』の編纂も予定されているそうです。続編の刊行をお待ちください。
<The Aesthetics of Japan 3 「Language」>
プロデューサー:山本訓史
ディレクター:川邊りえこ
エディター:山口謠司・中瀬ゆかり・上田恭弘
プランニング:近衞忠大
装丁:近衞忠大
翻訳:人文社会科学翻訳センター
発行:日本雅藝倶楽部
制作:新潮社




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