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【Event】わかまつり2022 まとめ

(2022年6月29日更新)


2022年3月19日・20日の2日間、天王洲・寺田倉庫のT-LOTUS Mで開催した和歌にまつわる上質な日本文化を体験できる「わかまつり 2022」の記録動画完成を踏まえて、まとめ記事を公開いたしました。


動画と合わせて、ぜひご覧ください。



わかまつりについて


curioswitchがお届けするプロジェクト「わかまつり」は2021年に発足。


品川区「しながわ文化プログラム推進事業」の一環として初めて開催した「わかまつり2021」では、「和歌の披講」「茶道と和歌」「かるたと和歌」の3つの体験型プログラムを天王洲の「B&C HALL」で8月に実施。和歌へのなじみが薄くなりつつある若い世代から百人一首を誦じる和歌のエキスパートまで、老若男女が和歌を通じて繋がる質の高い日本文化を体系的に学べる機会を創出し、大きな反響を頂きました。



わかまつり2022 開催の様子


今回の「わかまつり2022」では、春の息吹を感じて頂くべく、会場を工夫。日本を代表する建築家・隈研吾さん監修の運河に浮かぶ船上スペースで、1階のメインフロアーからはパノラマの水面、屋上デッキからは天王洲のベイエリアを楽しめる「T-LOTUS M」を選定。



また、文化庁令和三年度生活文化振興等推進事業として開催した「わかまつり2022」では、生活文化と和歌をコンセプトに、普段あまり生活文化に触れる機会が無い10代から40代の男女と上質な生活文化を子どもと一緒に体験したい親子をターゲットに据え、「和歌の詠進」「香道と和歌」「投扇興と和歌」の3つの体験型プログラムを用意しました。



【和歌の詠進】




「詠進」とは、毎年皇居で行われる宮中歌会始のために和歌をつくり、応募すること。全国から寄せられた歌の中から選ばれた十首は天皇皇后両陛下の御前で披露されます。今回のプログラムでは、参加者の皆様に実際の「詠進」に挑戦して頂きました。



日本を代表する歌人の馬場あき子さんをお迎えし、歌会始で披講(和歌を声に出して披露する役)を務める弊社クリエイティブ・ディレクターの近衞忠大と共に、和歌や詠進の講義・指南を頂く二部構成のプログラムを実施。司会はフリーアナウンサーで、逸流女将の会メンバーとして日本文化に関心を寄せる住吉美紀さんに担当して頂きました。


3月19日(土)の第1部(11:00-12:30)では、馬場あき子さんによる解説(和歌の講評を含む)や弊社近衞による歌会始の解説などの座学の後、半紙と書道セットを用意した畳に移動して頂き、詠進の実践ワークショップを行いました。


第2部(16:00-17:30)では事前に参加者に提出して頂いた和歌を、馬場先生による講評をメインに、詠進ワークショップを実施いたしました。次回の宮中歌会始のお題である「友」をテーマに詠進歌を実際に詠み、応募するまでをインタラクティブに体験出来るプログラムとなり、幅広い年齢の方にご参加頂く大盛況となりました。


和歌と詠進にご参加頂いた方にはミニ習字セットと半紙をプレゼントさせて頂きました。この体験を機に、ぜひ歌会始にご応募いただけると幸いです。



【香道と和歌】




「香道」は、足利義政の命を受けた志野宗信らによって銀閣寺で体系化されました。日本人の四季への感性や文学詩歌が深く結びついた、世界に類を見ない香りの総合芸術です。



本プログラムでは、志野流香道二十一代目家元継承者蜂谷宗苾さんをお迎えし、初心者にもわかる香道座学からスタート。続いて、和歌に因んだ「組香」(香木の薫りの違いを当てるゲーム)を来場者に体験頂きました。


午前中のプログラムでは「雲井香」、午後のプログラムでは「三躰香」 と、体験できる「組香」を変えることで、和歌に因んだ香道のゲーム性を多面的に学べるように工夫。


さらに、10代、20代の若者にも身近に香道を感じて頂くため、現役大学生で2021年ミスSFCの山田璃々子さんをゲストへ迎え、若者代表として「香道と和歌」を体験して頂くことに。山田さんのルポルタージュ(※)もこの機会にぜひ併せてご高覧頂けると嬉しいです。


※ミスSFC2021グランプリ 山田璃々子のわかまつり体験



また、ご自宅でも日本文化に触れて、香道を思い起こすきっかけになればとの願いから、会場へご参加頂いた方には、蜂谷さん選定の「匂い袋」を進呈。# わかまつり(ハッシュタグわかまつり)と共に、SNSでの投稿を呼びかけました。



【投扇興と和歌】



投扇興は、扇を投げて的に当てる、対戦形式の日本版ダーツです。様々な遊び方がありますが、代表的なものとして百人一首に因んだ和歌が採点に結びついていて、審判役が和歌を読み上げるものがあります。特にお正月に楽しまれたことから、正月の季語でもあったりするほど、昔は生活の中で身近だった遊びです。



今回は、生活文化の宝庫でもある料亭「金田中」の女将で、逸流女将の会メンバーでもある岡副徳子さんと、NPO法人日本投扇興保存振興会の皆様をお迎えして、室内遊びとしての「投扇興」を解説及び実演して頂きました。


日本投扇興保存振興会さんのデモンストレーションに続き、会場参加者の方も投扇興を練習。その後、勝ち抜き戦に挑戦して頂き、決勝戦を戦う2名は着物を羽織り、書記の方に和歌を詠んで頂く正式な形で「投扇興」を展開。


一見簡単そうな投扇ですが、狙った方向へ狙った距離だけ投げるのは意外と難しく、会場は大盛り上がり。優勝者の方には、賞品として、なんと、投扇興セットをプレゼント。ご来場頂いた皆様にもご自宅に和遊びを持って帰って頂けるよう、桜柄の紙風船をプレゼントして、# わかまつり(ハッシュタグわかまつり)と共に、SNSでの投稿を呼びかけました。


おうち時間が増える昨今の状況の中、「わかまつり2022」では「和歌の詠進」「香道と和歌」「投扇興と和歌」の全プログラムで、奥深い日本の生活文化に触れて頂くことができたと感じます。



おわりに


2日間で合計80名以上のお客様に会場にご来場頂き、オンラインでも300名以上の方々にご参加頂きました。


コロナ禍が続く中で、パワーアップした第2回目の「わかまつり」を開催できたことを、大変ありがたく感じています。


少子高齢化の問題もあいまって、伝統文化を体験できる機会は急速に減りつつあります。


リアル/オンラインを問わず、本物の日本文化に気軽に触れることができ、日々の生活に取り込んで頂くきっかけを創出できたという意義を、お客様から感想を伺いながら感じました。


近い将来開催する第3回「わかまつり」でも、多くの人々の好奇心をくすぐるような、パワーアップしたプログラムで挑みたいと考えています。ぜひ、皆様にご参加頂けると嬉しいです。


最後に、ご来場頂いた皆様、天王洲エリアを代表するユニークべニュー「T-LOTUS M」を快くお貸し出し下さった寺田倉庫の皆様、令和3年度「生活文化振興等推進事業」にわかまつりをご採択頂きました文化庁の皆様、ご後援頂いた品川区の皆様、そして、各プログラムを支えて頂きました全ての関係者の皆様に、心より御礼申し上げます。




わかまつり 各種SNS:

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